パクノダの思い2 宗春 さて、人質となったクロロの前にパクノダが一人でやって来て、クラピカに念の鎖を打ち込まれるとこ。ちょっと前回と前後するけど。 志乃 人質の交換を説明するクラピカの横で、センリツが女性らしくパクノダの心理を読むのよね。クラピカ、あなたも気づいているでしょう、という感じで。 宗春 鎖を打ち込まれる前、クロロはパクノダに、弱点に気づけ、って無言で語りかけるよね。クラピカは仲間を助けることを最重要に考えるって、すでに見抜いてた。 志乃 パクノダは、人質に取っていたゴンとキルアをあとで思い出すのよね。逃げようと思えば逃げれるのに、って二人に言うと、ゴンもキルアも、人質交換が普通にうまく行って、誰も死なないのがいい、そういうところはすごいわ。人類愛のような響きを持っていると思えるわ。 宗春 その内容はパクノダが普通に語ったんじゃなくて、命をかけて念弾を撃つんだったね。フィンクスたちがそれによってパクノダの本心を知る、ってストーリーだよね。 志乃 それをフィンクスがゴンに語るのは、まだもうちょっとあと。ヨークシンの競売会場だったかしら。 宗春 クロロの落胆、パクノダの満足感、そう言ったものがよく表現されていると思うよ、このあたりのストーリーは。で、念弾をパクノダが撃った相手というのは、幻影旅団の結成メンバーなんだよね。 志乃 シズクは入っていなかったわね、確か。 宗春 ボノレノフもそう。旅団員の変遷を考える時は、このメンバーがここでわかるってことが重要なんだよね。その団員の番号については、考察して書いたけど、詳しいことは想像になってしまう。 志乃 謎の集団ってとこね。 宗春 このサイトの名前もそういうとこを考えているんだけどね。 志乃 パクノダは死ぬ寸前に、私で終わりに、って言うじゃない。ちょっと気になる言い方よね。 宗春 あれは旅団員みんなに、生きてほしいっていう願いだろうね。それは結局クロロの死を食い止めたいって気持ちにもつながる。 志乃 私はなんかぼんやりとしてるわ。そうじゃないってふうにも思えるのよ。 宗春 具体的にはどんな? 志乃 うまく言えないのよね。勘、だから。論理的じゃないのよ。 宗春 マチの思考法だね。 志乃 やっぱりクロロへの思いかしらね。 宗春 そうボクは思うけど。 志乃 倒れたパクノダにシズクが近づいて、死を確認するわね。 宗春 その役目は適任だと思うよ。哀れというか、それを表現するため。そ、場の雰囲気を読者に伝えるのに最適な役の割り振りなんだよね。 志乃 旅団員の死が描かれるのは、これが最後のように思えるのよ。うーん、これ、勘だけど。思いつきもちょっぴり。 宗春 いや、言われてみると、作者の願い、宣言かなとも。どっちにしても、パクノダの死が旅団の分裂を防いだとも言えるよね。でもこのときの意見の相違は何かの伏線かなとも思えてくるんだけど。 志乃 それはあり得るわ。シズクやマチが去って行くとか。 宗春 女性に関連あるかな。クロロが去って行くというのはどうかな。もしかして重要な分岐点かもね。ボクならそれはストーリーに入れたいな。ヒソカと戦わせないためにも。 志乃 それがおもしろさを左右するかはわからないけれど、作者がパクノダの願いの形でストーリーを予言するという考えがおもしろいわ。 宗春 ボクもクロロには死んでほしくないしね。 志乃 あ、十字架のフィンガーバンド。(置いてあるのを見て突然) 宗春 目ざといね。でも逆十字なんだけど。 志乃 向きを逆に置いただけじゃない。ちょっとロックバンドっぽい趣味ね。 宗春 結構気に入ってるんだけど。で、きょうはパクノダで止まってしまった感じになったけど。このへんで一区切りかな。 - つづく - 対談相手は、ネット仲間でもあり、趣味の集いの仲間でもある・野上 志乃(のがみ しの)さんにお願いしています。 |