キケロの過去 −ピッポさん キケロの過去 クロロたちと別れ、流星街を出たキケロはハンター試験を受けた。 (キケロはその年のトップでハンター試験を合格し、その後すぐに念を覚えるにいたった。 この時キケロは水見式で放出系であることがわかる。) キケロは遺跡調査ハンターとして生計をたてていた。 各地で遺跡調査を行っているキケロは、ある日一人の女性と出会う。 キケロが生まれて初めて愛した人「フィン」である。 フィンは考古学者の娘でキケロとちょうど同い年であった。 遺跡調査を行っている先で、同じく遺跡調査を行っていた彼女に出会い、 彼らは互いに惹かれあうこととなった。 幸せな日々が続いた。 キケロは今まで感じたことのない安らぎを感じていた。 だが、そんな幸せも長く続かなかった・・・ キメラアントの大群が二人のいる街を襲ったのである。 「ば、化け物だぁぁぁl!!!」 街に火が放たれ、街は業火に襲われた。 ぎゃぁぁぁぁぁぁ・・・・ 逃げ惑う街人たちがキメラアントたちに次々と殺されていった。 キケロ:「フィン!!どこだっ!どこにいるッ!?」 キケロはキメラアントを倒しながら、朝早く遺跡調査に向かったフィンを探し回った。 その行く手を阻むようにして襲い掛かるキメラアント。 キケロ:「くそっ! 邪魔だっ!!」 キケロの手からオーラ球が放たれ、キメラアントを一撃のもとに倒す。 キケロ:「(たのむ、無事でいてくれ・・・。)」 キケロはただただひたすらに走り続ける。 そして、ようやくフィンを見つける・・・・。 キケロ:「ッ!!!!」 「グァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」 キケロが悲痛の声をあげる。 やっと見つけたフィンは、キメラアントの足元に横たわっていた。 キケロの目からは大粒の涙が流れ落ちる。 と、キケロの中で何かが壊れ、同時にキケロの中の眠っていた力が目覚めた。 特質系能力「"無限メモリー"」。 壊れてしまったキケロは抑えきれない内からあふれ出る禍々しいオーラと殺意のままに、 そこにいたキメラアントを皆殺しにする。 何がなんだか分からなくなるくらいに切り刻み、その場は地獄のような風景となった。 かつて子供のころクロロたちと見てしまった「ビデオ」の1シーンのようなすさまじい光景。 木々の緑はあたり一面キメラアントの血で紫色に変わった。 ところどころに飛び散る何がなんだか分からない肉片。 木にくくられたキメラアントの残骸。 紫の返り血を浴びた立ちすくむ人間と、横たわる人間。 おそらく数秒間の凝視もできないであろう。 鬼と化したキケロの目から流れる涙はいつしか黒い涙となっていた。 それ以来キケロは涙を流すことはない。 ピッポ |