I・F(カイト偏・続) −mimiさん I・F(カイト偏・続) ドンッという大きな音でカイトは目を覚ました。 「?!」 下でまた何か騒いでるらしい。ここはジンさんとその仲間達の泊まってる宿屋の二階。オレは栄養失調と脱水症状で嘔吐と発熱を二日間繰り返して、やっと今、歩けそううなくらいまで回復した。フラフラとドアのとこまで行き、ソッとドアを開けると下で女の人の罵声が聞こえた。 「いいかげんにしなさい!!!」 それをなだめてるのは・・・ジンさんだ。 「いいじゃないですか・・・一人や二人増やしたって。」 なだめている・・・というより、投げやりな説得?だ。 増えるというのは俺のこと・・・だよな、仲間の人に反対されてるのかな。 「二人で十分だわさ。それでなくても一人は不出来なのに。」 チラッッと男の子を見る女の人。その目に萎縮する男の子。 「不出来って事はないよナァ・・・ウィング。がんばってるよなぁ。」 と頭をなでるジン。そこで女の人が一言。 「がんばってても弱けりゃ死ぬわさ。」 「なぁ、もう一人だけ増やしてくださいよ〜」 「頼みごとするときだけ敬語使うな!」 どうやら女の人が采配を振るうリーダーのような人らしい。はぁ・・・もしあの人が絶対ダメだと言ったらジンさんはどうするのだろう?もう一度あの場所に戻って オレをつなぐのか?いや・・・鎖切れてるからな、人売りにでもだすのかな? それからまた女の人が話し始めた。 「それにあの子、体が弱そうじゃないか・・・そんなんじゃろくなハンターにはなれない。」 「それは今からどうにでも・・」 「とにかく絶対ダメ!」 ・・・女の人の一言でその場がシンーッとなった。やっぱダメなのか・・・。オレはここで終わりなのか?もう強くなれないのか?・・・・いや、オレは強くなるんだ。それだけは譲っちゃいけないこと。 「待ってください!!」 おれはフラフラしながら階段を下り、話し合いが行われてる食堂に行った。そこには、ジンさんと子供が二人、それと女の人が一人。でも、女の人は子供のような感じでとてもリーダーには、見えない。 「あの・・・オレ強くなりたいんです。どうしても強くなりたいんです。」 「ここじゃなくても強くなれる。」 っと女の人はそっぽを向く。うわ〜・・かわいい顔していうこときついな。 「でも・・・ジンさんがいるところがいいんです」 ジンは何もいわずに聞いていた。これはこれは本当の気持ちだった。この二日間、ジンさんはオレにつきっきりで看病してくれた。起きるといつも俺のそばにいて、 大丈夫か?と言ってくれる。拾った子供にここまでしてくれる人なんかいない。この人の役に立てるくらい強くなりたい・・と思った。この人は本物の強さを持って気がした。 「ダメ。」 「どうしても・・・ですか?」 「どうしても。」 「お願いします・・・どうしてもダメでもお願いします!!」 言葉的にかなりの矛盾は感じてたが、もう必死で頭を下げた。 「はぁぁ・・あんたねぇ。ん〜そうね。あぁじゃ試験に合格したらいいわさ。」 「試験・・・ですか?」 「そう、この先にある森に幻魔獣がすんでる。それに勝ったら一緒につれてってあげる。」 「マジッすか?」 よかったなぁ・・カイト」 とジン。 「じゃぁさっさと行くわさ」 mimi |