目覚め(第4章) −ねふぇさん 目覚め(第4章) 昨日までの過程を、もう一度冷静になって考えてみる。がやはり思い出せない。 考えると頭痛がする。 立ち上がって部屋の外の様子を見てみたいものだが、あいにく服がない。 そんなことを考えていると、娘がこぼさぬよう、ゆっくりと水を持ってきた。 木のコップに入った水を飲む。 うまい。体中に水分がしみわたるのが分かる。 「ふ〜。うまかった。ありがとう。」 娘は嬉しそうな顔で尋ねた。 「キミ、名前はなんていうの??」 「・・・。名前か・・・。実は思い出せない・・・。」 「他のことも?」 「あぁ・・・すまない。君は?」 「ん?ボク?ボクはネフェルピトー。残念だな〜、いろいろ聞きたかったのに〜。」 本当に少し残念な表情だ。おもしろいほど感情が顔にでるな。 それにしてもネフェルピトー。変わった名前だ・・・。 聞きたいことってなんだろうか? 「ここは・・・いったいどこなんだ?」 「ボクたちの家だよ。」 「僕たち?」 「うん。1000人ぐらいで住んでるかな。」 「にん?ってことは、やっぱり人なのか?」 娘はしばらく考えたあと、こう答えた。 「ううん。人間はボクたちのことをキメラアントって呼んでるみたいだけど・・・。ボクたちって、みんなそれぞれ姿形が違うから呼び方もみんなバラバラなんだ。」 いろんな姿か・・・。まぁ、そのうち分かるだろうな。 「なるほど。俺はどうなるんだ?」 娘は不思議そうな顔で答えた。 「ん?どうなるってなにが?」 その反応にも驚いたが、どうやら何をされるという訳ではないようだ。 謎の生物の実体を聞かされ、不安になっていたのだが・・・。 「本当はキミとまた戦おうって思ってたんだけど、そんな気ももうニャいし。」 「・・・?おっと、すまない。礼を言うのを忘れていたな。助けてくれてありがとう。礼を言う。」 「ううん。ボクの為でもあるしね。」 娘は、ほとんどずっとニコニコしながら話している。 純粋な笑顔であることだけは分かる。 だが、なんのことだろう?俺はこの娘と戦ったのか? まぁ今は、そんなことはどうでもいい。早く傷を完全に治したい。考えても答えなど出やしないのだからな。 「俺はもう少し寝るよ。おやすみ。」 「おやすみニャさい。」 こないだから寝てばかりだな・・・。まぁ、しかたがないか・・・。 ねふぇ |