レベルH(1話)〜隊長の苦悩・前編〜 −幻影旅行さん レベルH(1話)〜隊長の苦悩・前編〜 う・・・ん?・・・・ここはどこだ?確かあのバカが用があるとかで、部下の2人と一緒に会議室に呼ばれたはずだが?・・・・・ 薄暗い土牢の様な部屋の中で男は1人考えていた。自分は今一体どういう状況に置かれているのかを。そしてこれからどういう行動をとれば最善の結果に辿り着けるのかを。 (そもそも俺は何でこんな格好をしているんだ!?) 男がそう考えるのも無理はない。ほんの数分前までは黒スーツの正装で3時間後に始まる全宇宙会議に出席する準備を進めていたはずが、気が付いてみれば土牢じみた場所で1人立ち尽くしていたのだから。 しかも格好がまずおかしい。まず髪型がオールバックになっている。体格もあきらかに元よりでかくなっている。そして1番男が気になっているのが (俺は・・・・ひょっとして・・・・・人間じゃ・・ない!!?) ・・・そう、男はすでに人間ではなかった。一応人間の体型に似てはいるが、男は実感していた。自分は人間以外の何者かになってしまった事を。 「ガタッ・・・ゴトッ」 その時部屋の奥で物音がした。なぜかはわからないが、男にはそれが何者で何体いるのかがすぐにわかった。 (どういう事だ?確かに俺はドグラ星王立護衛軍隊隊長として厳しい修練を積んできた。それでもこれほどの暗闇の中でここまで正確に相手の位置を把握できるとは・・・・この能力は一体?) とりあえず男は考えるのをやめて、物音のした場所へ近づいてみた。 (反応は3体・・・一体誰だ?) すると、そこにいたのは・・・・・・ 幻影旅行 |